これまでバックアップ用途で使用され、その立場をディスクストレージに譲りつつあったテープストレージですが、全世界で生成されるデータ量が爆発的に増加し、組織内で急増するデータを効率的に保管するストレージの構築が求められる今、「テープストレージ」は世界の先進的な企業や研究施設で再び注目され、活用されています。その背景と理由をご紹介します。
背景1:データ量の急拡大により保管・管理コストが増大
2025年には2015年の20倍にあたる175ZBになると見込まれています。
組織内で画像・動画・音声のデータが増加し、さらに4K・8Kなどへの高精細化、3Dデータ化(CAD・BIM・点群データなど)による大容量化で、研究開発・製造データなどを中心に、データ量の増加が加速しています。
また、日常的に使われなくなってからも組織内で保管し、活用・分析に使いたい多種多様なデータが増加。これらの多くは圧縮や重複排除には向いておらず、ストレージの逼迫および保管・管理コストの増大につながっています。
今後は競争力向上や組織改革のために、ビジネスや社会課題に関わるあらゆるデータの活用がますます重要に。データを組織内に長期間にわたり蓄積し、分析・活用するために、大容量・低コスト・長期耐久性を持つストレージ基盤の必要性が高まっています。
また近年は、災害や停電、ランサムウェアなどのサイバー攻撃などから、組織内の重要データの消失・流出を防ぎ、事業を継続するためのBCP対策が重要視されています。データ保護のため、遠隔地保管が可能で安全性・信頼性の高いストレージにデータを保管しておく必要性があります。
先進企業がビッグデータ・BCP対策データの保管に選ぶ「LTOテープ」
「活用したいビッグデータをいかに安くため続けるか」「絶対に無くせないデータをいかに安全に保管するか」。そんな課題を持つ先進企業に選ばれているのが、HDD・SSDを使ったプライマリストレージに、低コストで長期耐久性・安全性・将来性の高いテープストレージ「LTOテープ」をプラスする方法です。
上記で紹介したデータのほとんどは、生成後しばらくしてアクセス頻度が減った、いわゆる「コールドデータ」です。これらのデータをプライマリストレージから「LTOテープ」に“逃がす”形で再配置することで、長期保管のTCOも、災害やサイバーアタックのリスクも、大幅に抑えることができます。